妖精に扮す社長が売る「国産きくらげ」の希少価値 箸を持つ手が止まらない「きくらげラー油」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

看板には「就労継続支援B型事業所 グリーンフィールド」とある。就労継続支援B型事業所とは、障害や難病で一般企業に就職するのが難しい人に対して就労や生産活動等の機会の提供や訓練、支援を行う事業所である。

「きくらげで日本一になる!」と宣言

本当にここが「木耳のお店」なのかと思い、中に入ると、大勢のスタッフがきくらげの選別やパック詰めの作業をしていた。その中で親しげにスタッフへ声を掛けていたのが「木耳のお店」の社長、喚田恵子さんだった。

「もともと夫が経営するグリーンフィールドで乾燥きくらげの販売をしていて、私もそれを手伝っていました」と、喚田さん。

本社内できくらげの選別作業をするスタッフと話す喚田さん
本社内できくらげの選別作業をするスタッフと話す喚田さん(筆者撮影)

筆者と同様に、当初はきくらげについて何も知らなかったが、興味を持って調べているうちに、国内で消費されているきくらげの99%は中国から輸入していることを知った。また、食物繊維やビタミンD、コラーゲンなど栄養価も高く、何よりも国産きくらげの美味しさにハマった。

「きくらげのことを知れば知るほど魅力を感じました。そして、障害のある方の工賃を少しでも上げたいという思いもあって、4年前にハウスを作ってきくらげを栽培したのがはじまりです。当時小学生の長男と長女に『きくらげで日本一になる!』と宣言したことを今でも覚えています」(喚田さん)

定番の黒と希少な白の朝採れの生きくらげ
朝採れの生きくらげは定番の黒と希少な白の2種類を用意。2種類セットで1587円(送料別)(筆者撮影)

喚田さんがもっともこだわったのは、きくらげの品質。広葉樹のおがくずやふすま粉、米ぬかや大豆の胚芽など国産の原料を自ら仕入れてオリジナル配合の菌床を仕込んでいる。温度や湿度、二酸化炭素の濃度などを徹底管理されたハウスで60日間かけて菌を培養し、さらに30日後にきくらげの芽が出てきて、成長したきくらげを少しずつ丁寧に収穫している。安心・安全を考えて、農薬はいっさい使っていないため、ハウス内に虫が発生してすべての菌床を処分したこともあったという。

次ページきくらげの妖精“けっぴー”
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事