カウンターポイント・リサーチ(香港)のシニア・アナリスト、アイバン・ラムは、「今日、Mate 60シリーズを手にした人々は、街でiPhoneを持っている人を見かけたら、何年も前のような感覚を覚えるだろう」と述べた。これは特に、スマートフォンを最も多く購入する年齢層である35歳以上の人々に当てはまる、と彼は言う。
中国のスマートフォン市場は多くの企業によって分割されている。国産ブランドのVivo、Oppo、Xiaomiは、アップルやファーウェイと争って大きなシェアを獲得している。
アップルは2009年に中国でiPhoneの販売を開始した。最後にファーウェイに負けていた2019年、当時のトランプ政権はアメリカのテクノロジー企業がファーウェイと取引することを制限することで、うっかりアップルに命綱を伸ばしてしまった。アンドロイドOSを製造するグーグルと複数の半導体企業は、中国のスマートフォンメーカーへの支援を打ち切った。
独自のOS開発が奏功したファーウェイ
ファーウェイが苦戦する中、アップルは巻き返した。カウンターポイントによると、2022年に中国で販売されるスマホのシェアは、2019年の9%から22%に上昇した。アップルは2022年9月期の決算で、同地域から過去最高の740億ドルの売り上げ高を計上した。
だが、この規制によってファーウェイは独自のワイヤレスチップとOSを開発することを余儀なくされ、その結果、Mate 60 Proを支える技術が生まれた。このOSは中国の消費者にとって魅力的で、中国の大手テック企業の多くはこのOS専用のアプリを作り、中国国外で使われているプラットフォームからユーザーをさらに遠ざけている。
ファーウェイの革新性は、アップルの最新モデルを陳腐に見せている。加えて、中国経済が新型コロナウィルスのパンデミックから立ち直るのに苦戦しているため、多くの消費者は、漸進的なアップグレードのように感じられるものに出費するのをためらっている。