中国で「iPhone↓ファーウェイ↑」になった背景 iPhone 15よりもMate 60 Proがかっこいい!

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この10年間、中国はiPhoneにとってアメリカに次ぐ最も重要な市場であり、アップルの売り上げのおよそ20%を占めてきた。しかし現在、個人消費の鈍化、アメリカ企業製デバイスを敬遠するよう求める中国政府からの圧力の高まり、さらに、ファーウェイの復活といった一連の要因によって、アップルの中国における支配力は失われる可能性がある。

「ゴールデンタイムは終わった」

「中国におけるアップルのゴールデンタイムは終わった」と市場調査会社テックインサイツのシニアディレクター、リンダ・スイは言う。その最大の理由の1つは、貿易とテクノロジーをめぐる米中間の緊張の高まりだとスイは言う。地政学的ストレスが大幅に軽減されなければ、アップルがその地位を維持することは難しいだろう。

「消費者だけの問題ではない」とスイは話す。「これはより大きな部分にかかわる問題で、2つの超大国は互いに競合している、ということだ。これが全体のシフトの背後にある根本的なものだ」。

アップルほど、両国間の緊張の高まりから失うものが大きいアメリカ企業はないだろう。同社は、チタンフレームを採用し、写真撮影や懐中電灯の点灯をプログラムできるアクションボタンを搭載した初のiPhone製品であるiPhone 15を昨年9月に発売したばかりだ。

「5年前、アップルは中国で本当に強力なブランド力を持っていた ――人々は次の製品の発売をアップルストアの外で夜を徹して待つためにテントを持参していた」と、市場調査会社カナリスの上海ベースのアナリスト、ルーカス・ゾンは話す「。「iPhone 15の発売はそれほど人気がなかった」。

それから半年後、アップルは上海などの都市に看板を設置し、近くでiPhone 15を購入できることを人々に呼びかけた。同様のプロモーションにより、昨年最後の3カ月間、中国で最も売れたスマートフォン6機種のうち4機種をiPhoneが占めた、とアップルはウォール街のアナリストとの電話会議で述べた。

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