Z世代がいまだに「Facebookを使い続ける」事情 インフレ時代の若者の救世主「マケプレ」とは
昨年12月、エリシア・チウとシェール・スーがニューヨークのロウアーイーストサイド地区にある、エレベーターのないアパートに引っ越したときの荷物はわずか数箱だった。
友人同士の2人はロサンゼルスから引っ越す前から、新しいアパート用に小型のキッチン用品、装飾品、家具を揃える必要があることは知っていた。しかし、新品を購入するより「Facebook Marketplace(フェイスブック・マーケットプレイス)」で中古品を見つけるほうがお得だと考えた。マーケットプレイスは、フェイスブック上で物品を売り買いするサービスだ。
20代に人気の「マーケットプレイス」
「フェイスブックはマーケットプレイスのためだけに使っている」と24歳のチウは言う。ソーシャルメディアとしてほとんどの時間を費やしているのは、TikTok(ティックトック)とインスタグラムだ。インスタはフェイスブックの親会社メタが所有している。
可処分所得がそれほどない20代の多くにとってマーケットプレイスは、普通なら高くて買えない商品を安く買える場所になっている。
「20代の若者としてはもっといいものを持ちたいけれど、まだそこまでの経済力はない」。そう話すチウは、ほかのサイトよりもマーケットプレイスのほうが気に入っている。インターフェースが使いやすく、家具の掘り出し物を見つけやすいというのが、その理由だ。