利用の減少にあえぐ、JR西日本「越美北線」の未来 北陸新幹線「敦賀延伸」を機に利用を増やせるか

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サービスカットはさらに続いており、2022年3月改正で越前大野駅は有人窓口の営業を取り止め、指定券券売機によるリモートの取り扱いとなった(これは都市部でも急速に進められている)。

また、越美北線で該当する九頭竜湖駅では実行されていないようだが、簡易委託駅の委託を終了することもJR西日本の現在の方向性だ。都市でのICカード普及に伴い回数券も販売を終了している。要望をする行政側にとって、JRのハードルは高いと言わざるを得ない。

こうした中、大野市の上記連携計画において越美北線に関わる実際のアクションの1つに、次の策がある。

『鉄道ジャーナル』2024年5月号(3月21日発売)。特集は「北陸新幹線敦賀開業」。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

観光の動きにあわせて臨時1往復を増便

2023年10月から今年3月末までの間で、越美北線と京福バス大野線を一体的な公共交通機関と捉え、越美北線の定期券所持者は京福バスに格安で乗れる割引利用券を発行した。列車の間に挟まるように走るバスに1乗車400円で乗れるようにして、鉄道・バス双方の利用を増やそうというものだ。とくに17時台や22時台の利用促進を狙う。ただ、県の実証実験のため期間が短く、とくに定期とあってはすぐの効果が得られるとも思えない。地道な継続が必要なのではないか。

一方、JR西日本にも北陸新幹線延伸開業という自社の一大エポックがあり、越美北線でも新たな施策を試みる。まずは3月の土休日と春休み期間に、福井―越前大野間に臨時列車1往復を増発する。東京7時20分発の「かがやき503号」に接続する10時25分発の下り、福井15時22分発「かがやき510号」に接続する越前大野13時50分発である。14時頃まで一乗谷の遺跡博物館などを楽しむことができる。こちらも続いてほしい。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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