北陸新幹線は、今から約半世紀前の1973年に「整備計画」が決定された、いわゆる「整備新幹線」の1つ。東京都と大阪市の間約600kmを北陸地方を経由して結ぶ路線とされ、まず1997年10月に高崎―長野間が開業し、「長野新幹線」の名称で運転を開始。次いで長野―金沢間が2015年3月に開業した。
金沢―敦賀間は2012年に工事実施計画の認可を受け、工事に着手。当初は2025年度末の開業を掲げていたが、2015年1月に政府・与党の申し合わせにより時期が3年前倒しされ、2022年度末とされた。
だが、2020年秋になって大幅な工事の遅れと建設費の増加が避けられない事態が表面化。国土交通省は急きょ検証委員会を立ち上げ、原因の究明や工程短縮策の検討を進めることになった。
工期が逼迫する原因となったのは、1つは2019年に貫通した石川・福井県境にある加賀トンネル(全長約5.5km)で、翌2020年3月に底部の地盤が膨張する「盤ぶくれ」による亀裂が見つかり対策が必要となったこと、そしてもう1つの大きな要因は、敦賀駅での新幹線と在来線の乗り継ぎ対策として、駅施設の大幅な設計変更を行ったことだ。
「フリーゲージ」断念が落とす影
北陸新幹線の開業後も、北陸地方と関西方面の直通運転を維持する方法として導入が考えられていたのがFGTだ。JR西日本は2012年、敦賀延伸時の導入を検討する方針を示した。
FGTは国が1990年代から開発を進め、2004年の整備新幹線に関する政府・与党合意で西九州新幹線(九州新幹線西九州ルート)に導入を目指すとされた。その後試験車両による技術開発が進み、2014年には「基本的な耐久性能の確保にメドがついたと考えられる」との評価を得ていた。
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