「35歳以上はNG」清掃員求人に中国で沸く怒りの声 「35歳の壁」「学歴」全人代で印象に残る言葉
中国の出生数が2022年に1000万人を割り、人口減が始まったことから、2022年と2023年は「少子化」を巡る発言が多かった。ただ、2022年はシニア世代による「上から目線」の提言が目立ち、若者の反発を受けた。
学生結婚奨励を提案して炎上
経営者の周燕芳氏(全人代代表)は女性の高学歴化が晩婚、少子化の一因だと分析し、社会に出る前に出産をしてもらおうと「大学院生の結婚と出産を奨励する」提案を行ったが、SNSで「女に死ねというのか」「学生結婚・出産となったら、生活費はどうするの」と大炎上した。
一方、2023年は当事者の気持ちに寄り添う提言が増え、SNSでも共感が広がることが多かった。
女性作家で以前から夫婦関係や育児に関する政策提言を続けてきた蒋勝男氏(政協委員)はIT、金融、製造業で常態化する長時間労働が労働者の心身や家庭生活に悪影響を及ぼし、結婚と出産の余裕をなくすと主張し、残業の法規制を求めた。
人口学分野の研究者である呉瑞君氏(政協委員)は、出産しない女性を「産みたくない女性」「産みたくても産めない女性」などに分け、産みたくない女性に産んでもらうよりも、経済的な事情やサポート体制のなさなどを理由に「産みたくても産めない低所得家庭」を照準に公共サービスを拡充するべきと訴えた。
2020、2021年の両会ではテンセントの馬化騰氏、バイドゥの李彦宏氏などメガIT企業のトップが人工知能(AI)や低炭素社会への投資を提唱し、中国の経済成長をけん引してきたIT業界の存在感が強かったが、IT産業への規制ムードが影響したのか、2022年の共産党大会後に2人は“円満退任”(現地報道)した。
経営危機に陥り、当局に拘束されている中国恒大集団の許家印会長も同時期に政協委員を退いた。代わりにEVや半導体企業のトップが多く両会メンバー入りし、今年の両会でもデジタル経済、AIに関する提言が活発に出ているものの、SNSで注目されるのは雇用、格差といったトピックに集中している点に、国民の不安感が色濃く映し出されている。
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