子育て支援めぐり「連合と野党だけ」猛反発のなぜ 騒動の主役は「年金破綻論全盛時と同じ顔ぶれ」
今回の支援金騒動の主役である政党、そして彼らを代弁するさまざまな応援団が、かつての年金騒動時とほぼ同じ懐かしい顔ぶれである様子を眺めると、歴史が繰り返されているように見えるものである。議論の経緯をみんなで眺め、誰が何を言っているのかをしっかりと記憶しておくことは、日本の民主主義を進化させるためにも、意味のあることのようにも思える。
将来感謝される制度が誕生するときの宿命
次は、こども未来戦略方針がまとめられた第6回こども未来戦略会議での私の発言である(2023年6月13日)。
長く、こども・子育て支援制度ができれば、「連帯を通じて、個人、地域、社会につながりがあり、子育て費用を社会全体で負担していこうという意識を涵養できる」と書いてきた。体験したことのない新しい再分配制度の意義を理解することは難しい話だから、圧倒的多数の支持を得て新しい制度ができる道はこの国には存在しそうもない。しかしかつての介護保険のように、この国の人たちは、作られた制度を利用する中で、連帯、助け合いの意義を理解してくれるようになっていく。
最後に、一言触れておこう。
政府は、今、勤労者皆保険を言っている。それは、「所得の低い勤労者の保険料は免除・軽減しつつも、事業主負担は維持すること等で、企業が事業主負担を回避するために生じる『見えない壁』を壊しつつ、社会保険の中で助けあいを強化する」(自民党政務調査会)というものであり、次のような形になる。
支援金の創設が非正規を増やすという支援金批判者たちは、「企業が事業主負担を回避するために生じる『見えない壁』」をなくす勤労者皆保険が考えられていることを知らないのであろう。
とにもかくにも、制度知らずが政策論に参入してくると騒動になる。今回の支援金騒動も、ただそれだけの話である。
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