65歳未満でも受給できる「障害年金」を利用して がん治療の経済的な不安と負担を軽減

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ただ、審査は書類審査だけですが、審査の結果に3~4カ月かかり、その後の手続きに50日間かかります。しかも、がんの場合は、認定審査で「就労もできているのだから障害の程度が軽いのではないか」と見られがちで、年金事務所によっては厳しい対応を受けることもあるようです。

社会保険労務士に相談するのがベター

請求したからといって必ずしも認められるとは限らず、手続きのやり直しや再審請求もできるとはいえ、できれば最初から、障害年金に詳しい社会保険労務士に依頼して請求したほうが無難かもしれません。都道府県ごとに社会保険労務士会があり、全国社会保険労務士会連合会のホームページも開設されています。

また、本当に徐々にではありますが、最近ではがん診療連携拠点病院などに、保険や年金に詳しい社会保険労務士さんやファイナンシャルプランナーなども配置されています。

がん診療連携拠点病院が中心になって、地域の患者会の方々との相談会などを開催するほか、民間でもNPO団体などの支援活動が広がっています。

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がんサバイバーの先輩に体験を聞くことで、治療と仕事の両立についての悩みの解消になったり、希望がわいてきたりもします。働き続けるヒントも得られるかもしれません。

そうしたところに相談して、アドバイスを受けるのも1つの方法だと思います。

障害年金をもらいながら働くことで、体調が思わしくないときには無理して働き続けなくてもすみます。さらに、正社員からパートタイムへ変更するなど、働き方そのものを見直すこともできます。

がんと共存しながら生きていくために、障害年金をはじめ、さまざまな公的支援制度をどうか活用していただきたいと思います。

勝俣 範之 日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授、部長、外来化学療法室室長

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かつまた・のりゆき / Noriyuki Katsumata

1963年山梨県富士吉田市生まれ。富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業後、国立がんセンター中央病院内科レジデント、内科スタッフ。国立がんセンター医長などを経て、2011年より現職。あらゆる部位のがんを診られる「腫瘍内科」の立ち上げは、当時の日本では画期的であった。国内における臨床試験と抗がん剤治療のパイオニアの1人。2022年、医師主導webメディア「Lumedia(ルメディア)」を設立、スーパーバイザーを務める。日本臨床腫瘍学会指導医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。

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