投資からお勉強まで中国人トップが日本に熱視線 中国語で取得できるMBAのため留学した社長も

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中国の日本経済への関心は高まる一方だ。2023年の前半には中国経済の日本化(ジャパナイゼーション)が話題になったが、後半にかけて中国が日本のバブル崩壊後の轍を踏んでいるという認識が広がり、さらに年末からは日本株への投資に関心が移ってきた。

1月17日には、上海証券取引所に上場する日本株上場投資信託(ETF)に中国の投資家が殺到し、取引が一時停止された。また1月末時点で東京証券取引所の時価総額が、上海市場を3年半ぶりに上回るなど、「中国下げ、日本上げ」のトレンドが鮮明になっている。

日本経済の復活を固く信じる人たち

上海で厳しいロックダウンが実施された2022年からは、中国の富裕層が祖国から「潤(中国語のローマ字表記でrun、英語の「逃げる」とダブルミーニング)」して日本に渡航するトレンドが鮮明になってきた。こうした中国人は押し並べて日本経済の復活を固く信じている。

こうした人たちに取材をしていると、むしろ日本人が日本経済に悲観的すぎるのではないかと感じてくるほどだ。

最近、民間経営者が日本を拠点の1つとする動きが相次ぐ。2023年5月には、近年日本で滞在することが増えてきたアリババの創業者ジャック・マー氏が東京大学の東京カレッジで客員教授に就任した。不動産開発会社「万科」を長年率いてきた王石氏も東京でたびたび目撃されている。

2023年2月には杉杉集団を長年率いてきた鄭永剛氏が都内で亡くなったことが発表され、中国で波紋を呼んだ。同社は浙江省の寧波を拠点にアパレルから多角化した、中国有数のコングロマリットだ。

桜美林大学が日本初の中国語MBAプログラムを開設したのも、このトレンドの中にあると言える。プログラムを統括する雷海涛教授は、「対日投資の流れが中国で活発になっており、日本経済やビジネス、業界や企業文化といったコンテンツを体系的に学ぶニーズが高まっています。中国語MBAもこのような背景のもとで生まれました」と話す。雷教授は東芝の本社で長年勤務し、中国室長などを歴任した人物だ。

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