地域復旧や子どもへのメンタルケアに取り組む福島・久ノ浜町、花の絵で町並みに明るさも

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 これに対して、地元の青年たちが「復旧が遅れると、避難した住民の帰還も遅くなり、場合によっては多くの人たちが戻ってこなくなる」と懸念し、復旧作業の迅速化に向けて、自力による作業チームを立ち上げ、がれきの撤去などを開始した。その後、協力の輪が次第に広がり、居住者が解体を承諾した家屋の中から家財などを運び出す作業などを行っている。

同チームは隣接する四倉町と協力して、8月27日に最も被害が甚大だった久ノ浜の中心部で、犠牲者を鎮魂するとともに、避難した住民の帰還を呼びかけるための花火大会も開催する予定でいる。そのために、近く、協賛の募金活動も正式に開始する。早くも、この活動を知った企業から協賛の動きが出始めている。

いま、同チームのメンバーたちが新たに始めたのが絵で町並みを明るくする活動だ。半壊し、所有者が解体を承諾した家屋や塀などに、色鮮やかな花の絵を描く、彼らの名称による「がれ花(はな)アート」だ。家屋の所有者の承諾を得たうえで、全員で、色とりどりの花の絵を描いている。花火大会までに、町中に花の絵を描きたい考えで、子どもたちなどにも絵を描くことを呼びかけている。


最近では、解体家屋の持ち主のみならず、修繕して居住している居住者から自宅の外壁に花の絵を描いてほしいという申し出を受けるケースもある。同チームの活動や花火大会に興味のある方は、高木さん(080−1065−0345)へ。

(浪川 攻=東洋経済オンライン) 

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