発売37年目「まるごとソーセージ」過去最高のナゼ 総菜パン人気で山崎パンの商品戦略に異変?
ちなみに2位は薄皮つぶあんぱん、3位薄皮クリームパン、4位ランチパック(たまご)、5位コッペパン(ジャム&マーガリン)、6位ランチパック(ピーナッツ)という顔ぶれになっている。
まるごとソーセージが好調な背景には、昼食などに選ばれる回数が増えていることがある。飲食店のランチやコンビニ商品の価格が上昇する中、菓子パン2個と飲み物の組み合わせならボリュームを重視しつつ500円以内に収められる。
さらにコロナ禍の影響が薄れ、外出が増加したことで持ち歩ける菓子パンの需要が伸びた面もある。
ランチパック(たまご)が人気を集めるのも同様の理由で、ランチや朝食として購入する人が増えている。コロナ禍前の2019年時点では、ランチパックのピーナッツがたまごの数量をわずかに上回っていたが、2021年以降はたまごが逆転した。安くて手軽に食べられる総菜系パンの需要は高まっているようだ。
「薄皮シリーズ」が進化した
こうした変化を踏まえて山崎製パンでは、総菜パンのさらなる強化を進めている。
人気の薄皮シリーズは、つぶあんやクリーム、ピーナッツなどの定番に加え「りんご入りカスタード」「生キャラメルクリーム」など、甘口のフィリング(詰め物)が中心だ。食事よりも軽食、おやつといった側面が強かった。
しかし1月には、新たなフィリングとして「ハンバーグ&ケチャップ」、「たまご」を投入。2月は「ポテトサラダ」「ナポリタン」など、本格的に総菜のフィリングを発売。これらのラインナップを「薄皮グルメシリーズ」として展開する。食事のための総菜パンという位置づけだ。
食品の値上げラッシュは落ち着いてきたものの、消費者の節約へのニーズは強い。ボリュームのある総菜パンを拡充し、さらに節約需要を取り込めるかが、2024年のテーマになりそうだ。
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