佐々木麟太郎の「5000万円奨学金」に見る日米差 「日本と違って凄い!」…とは単純には言えない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、「奨学金400万円」30歳彼女が見た母の預金通帳」に登場した、韓国の大学を卒業した佐藤佳乃さん(仮名・30歳)によると、海外の大学は日本と比べても「学費が安い」ため、外国人留学生向けの給付型奨学金も充実しているそうだ。

「韓国の大学に入学が決まった段階で、高校と語学学校の成績や、入試の結果をもとに国からの外国人留学生向けの給付型奨学金を支給してもらえました。さらに、大学が提供している授業料免除もあって、最初の学期(韓国もセメスター制なので半年間)は17万円ぐらいしかかかりませんでした。本来であれば学費も年間70万円はかかりますが、それでも安いですよね。

最近では韓国の大学も授業料が上がっているようですが、少なくとも私がいた頃は授業料が年間100万円を超えるような学校はなかったと思います」

さらに、「学費が高い」ことで知られるアメリカにも、さまざまなスカラシップが存在する。「奨学金870万円」35歳女性の綱渡りな海外進学」で話を聞かせてくれた、川嶋由紀さん(仮名・35歳)はフルスカラシップではないが、アメリカの大学に留学中、次のような奨学金を支給されていた。

「日本と違ってアメリカは貸与ではなく返済不要の給付型が一般的なため、『成績優秀者が対象の大学の奨学金』と、『年収600万円以下の低所得家庭出身者向けの奨学金』の2つを受給していました」

「特待生レベル」の扱いを受けるのは一握り

とはいえ、佐々木内野手をはじめ、フルスカラシップで「特待生レベル」の扱いを受けるのは、ほんの一握りである。

「スポーツ報知」の「佐々木麟太郎の学費5000万円免除は「5%以下」の狭き門 スタンフォード大の判断基準」という記事で、名城大准教授・鈴村裕輔氏はこう解説している。

「スタンフォード大の全額奨学金を受けるのは大変なことです。通常1学年に2000人ほど入学しますが、返済義務のない奨学金をもらえるのは5%以下。それも全額ですからね。
その条件としては運動競技に関する実績だけでなく、勉学を含めた書類審査。それに加えて通常の奨学金を得る場合には、入学への目的をリポートにまとめる必要があります」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事