停滞するDeNA、「280億円減損で赤字」の正念場 屋台骨のゲーム事業は戦略を大幅見直しへ

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これまでDeNAは、日本と中国を拠点にゲームを開発・展開してきた。中国には、2006年7月に「モバゲー」の拠点として現地法人を設立。直近でも、「HUNTER×HUNTER」や「キャプテン翼」など、日本の人気アニメIPのスマホゲームを現地で展開していた。

だが、中国事業は3年ほど前からユーザー消費額の減少が続き、今期は第3四半期累計で営業損失を計上している。不調の背景にあるのが市場環境の変化だ。

中国においてゲームを配信するには、「版号」と呼ばれる政府のライセンスが必要になる。最近は若者のゲーム依存などを背景に、ライセンスの認可に規制がかけられるケースなどが頻発していた。

また、スマホゲームの高品質化や競争激化により、マーケティングにかかる費用が拡大。リリース計画や販売見通しを見直さざるをえない事態が続いていた。そのためDeNAは目下、中国事業の位置づけを抜本的に見直すとともに、拠点規模の大幅な縮小に着手している。

事業の拠点を日本中心に切り替え

今後は日本拠点を中心に、従来のグローバル市場に向けた大型IPを中心としたパイプラインを推進するという。2025年3月期も3本程度の新規タイトルの配信を予定している。

ただ、その日本も目立った成果は出せていない状況だ。

スマホゲーム市場の競争が激化する中、2023年6月には「takt op.(タクトオーパス)」の配信を開始した。ゲーム配信前にアニメを放映するなどメディアミックスで展開する肝煎りの作品だったが、売り上げが振るわず、2024年2月8日、この4月をもってサービスを終了すると発表。わずか1年足らずでの撤退となる。

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