入社してすぐ「静かに退職する」新人社員の特徴 最低限の仕事だけこなす部下は誰がつくるのか
なんと、勤務先以外で自己研鑽に励む日本人は、50%もいないのである。
・研修・セミナー・勉強会へ参加
・資格取得のための学習
・通信教育・eラーニング
・語学学習
これらも自己研鑽の項目に入っているのだから、文字通り「ゼロ勉強社会人」が5割以上もいる計算だ。
この「やる気のなさ」は世界最下位レベルである。
若者を失望させないために「変えるべき」こと
日本の労働生産性は世界30位(OECD加盟38カ国中)。デジタル競争力は32位(国際経営開発研究所が調べた63カ国中)に甘んじている。しかも年々低下傾向にある。
もちろん若者たちは、その事実を知っている。そしてそれが今のベテラン社員たちが招いたことも理解しているのだ。だからこそデジタル化の波に遅れ、いつまでも生産性の低い仕事をしていたら、若者からそっぽを向かれるのは間違いない。
実際に、3年以内に離職する新入社員の多くは「変わろうとしない上司、職場」に強い失望感を抱くという。
いろいろな事情があり、なかなか変われないこともあることは若者だって理解している。しかし、「変われない」のと「変わろうとしない」のとでは、大きな差がある。
もちろん、何でもかんでも新しいことを取り入れたらいいかというと、そうではない。
常に意識すべきは「不易流行」である。
不易流行とは、松尾芭蕉の、俳諧に対する考え方として有名だ。伝統を大切にしつつ、時代に応じて新しいものを取り入れていく姿勢のことだ。したがって「変えてはならないもの/変えるべきもの」の区別ができれば、それほど迷うことはない。
樹でたとえると、わかりやすい。樹を「幹・枝・葉」の3要素で分解し、それぞれの要素の意味合いをこう考えてみよう。
・幹 = 目的、目標、あり方
・枝 = 方針、戦略、考え方
・葉 = 手段、行動、やり方
幹や枝は本質的な部分だ。どのような目的、目標があるのか、その目標を達成させるために、どのような方向性でやるのか。このあたりの考え方は、昔から変わらない。
変えるかどうか悩むのは、葉の部分である。つまり、「あり方」は変わらないが、「やり方」は時代によって変わる場合がある、ということだ。ここさえ押さえておけばいい。
若者に「静かな退職」をさせないためにも、上司や先輩から率先して変わろうとすることだ。情報感度を上げ、将来のための自己投資を続けるべきである。その姿勢が若者に希望を与え、組織にとって大きな戦力になるだろう。
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