「終の住処は?」シニアの住み替え4つのケース 住まいの再検討は60歳前後が良いタイミング

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国土交通省「家賃債務保証の現状」の調査結果において、保証会社の審査の通過率を比べると、40代は73.6%なのに対して、60代は49.1%という結果が…。

そこで人気なのが「UR賃貸住宅」です。

本人確認ができれば、年齢を理由に断られることはありません。保証人や保証料も不要。必要なのは敷金2カ月分だけで、礼金、仲介手数料、更新料もなし。費用面での負担が少ないのも魅力です。

ただし、築40年を超える築古物件も多く、リノベーション済みやタワーマンションなど人気の物件では競争率が高くなります。

愛着あるわが家に働いてもらう選択も

【Case 4】今の家を賃貸に出して別の賃貸住宅を借りる
家賃収入を得て賃貸を借りる例
(画像:『60代から終の住処を考えるための住まいのエンディングノート』)

今の家を賃貸に出して、得られた家賃収入の範囲におさまる家賃で、別の賃貸住宅を借りるケース。

すでに住宅ローンの返済が終わっており、人気の高いエリアに家をもつ人におすすめです。

また、自宅を売りに出したけれどなかなか売れない場合も、この方法に切り替えるのは一つの手。

空き家(空室)としては売れない家も、賃借人がいる投資物件(利回り物件)としてなら売れる可能性があります。

なお、エリアにもよりますが一戸建ての賃貸住宅は数が少なく、需要が高いことはあまり知られていません。あなたの愛着あるわが家に働いてもらい、老後資金のやりくりをするのも賢い選択です。

60代から終の住処を考えるための住まいのエンディングノート: 書くだけ、貼るだけでわが家の価値を見える化して、相続でも困らない
『60代から終の住処を考えるための住まいのエンディングノート』(主婦と生活社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
日下部 理絵 住宅ジャーナリスト、マンショントレンド評論家

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くさかべ りえ / Rie Kusakabe

第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。管理会社勤務を経て「オフィス・日下部」を設立。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、穴場の街ランキングや新築マンション情報など、マンショントレンドにおいても見識が深い。
ヤフーニュースへの記事掲載は300回以上。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。著書に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)、『「負動産」マンションを「富動産」に変えるプロ技』(小学館)、『60歳からのマンション学』(講談社)など多数。

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