サントリーは新しいビールで何を仕掛ける? ライバルメーカーが競争激化を警戒
(6月18日12時35分追記)「ザ・プレミアム・モルツ」の価格が競合品よりも安い点について、容量が20ミリリットル少ないことを付記しました。それに伴い、初出時の本文を一部修正しています。
発売前にもかかわらず、サントリーのビール新商品が、ライバルメーカーの間で波紋を広げている。
6月23日の新商品説明会を前に、サントリーが明らかにしているのは、スタンダードビールということだけ。旗艦ブランドの「ザ・プレミアム・モルツ」よりも価格帯の低い商品を投入する見通しだ。そうした中、業界内でささやかれる新商品名は”ザ・モルツ”。ライバル勢はこの商品投入を契機とした競争激化を警戒している。
ビールは国内で勝負する
たとえば大手コンビニで、ザ・プレミアム・モルツの缶ビールの価格は245円と、サッポロ「ヱビスビール」やアサヒ「スーパードライ ドライプレミアム」よりも10~15円安い。これは容量が330ミリリットルと、他社の商品に比べて20ミリリットル少ないためだが、値頃感を出していることは確か。コンビニという有力な販売チャネルで、どんな打ち出し方をするのかが注目されている。
現在、サントリーがスタンダードビールで展開するブランドは「モルツ」だが、昨年の販売数量は419万ケースと、年間1億ケースを超すアサヒ「スーパード ライ」など、競合の主力ブランドの足元にも及ばない。今秋にも投入が予想される新商品を主力品と位置づけ、シェアを本格的に奪いに行くという戦略は十分に考えられる。
ビール市場におけるサントリーのシェアは15%でアサヒ、キリンに次ぐ3位。「海外はウィスキーで攻め、ビールは国内で勝負する」という明確な方針を掲げており、国内市場が縮小を続けている以上、シェアアップには他社のパイを奪うしかない。
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