ランサムウェア「手当たり次第の攻撃」への備え方 業務委託や社員からの情報漏洩も後を絶たない
2023年7月4日、名古屋港のシステムの全サーバーに障害が発生した。名古屋港湾協会のプリンターからは、約100枚の英文の脅迫状が印刷され、その冒頭には「LockBit Black Ransomware」と印字されていた——。LockBitは著名なランサムウェアの1つである。
止まらないランサムウェア被害
ランサムウェアとは、脅迫型マルウェアという意味で、パソコンやサーバーのファイルを勝手に暗号化して使えなくしたうえで、元に戻してほしければ身代金(英語ではRansom)を払えと脅すタイプのウイルスである。
最近はファイルの暗号化だけでなく、秘密情報を盗み出して、それを公開されたくなかったら身代金を払えという形で、2重・3重の脅迫を行うことも珍しくない。
名古屋港のシステムは、2日半にわたって停止し、復旧後も影響は1週間以上に及んだ。重要インフラに対するサイバー攻撃のため、国土交通省は有識者による「コンテナターミナルにおける情報セキュリティ対策等検討委員会」を設置し、今後のセキュリティ強化などの施策を検討している。
ただ、ランサムウェアによる被害は、港湾のような重要インフラだけではなく、大小の企業や学校、病院にも及んでいる。
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