中国政府は、不動産不況の長期化が経済全体に及ぼす影響への危機感を深めている。中国共産党中央委員会政治局会議は2023年7月、「わが国の不動産市場における需給関係の大きな変化に対応し、不動産関連の政策を適切に調整する」という方針を発表。(不況前に導入された)住宅市場の過熱防止策の緩和へと舵を切った。
これを受けて、中国人民銀行(中央銀行)、財政省、住宅都市農村建設省を中心とする関連省庁が、住宅ローンの貸し出し条件の緩和、住宅ローン金利の引き下げ、住宅買い替えに対する税制優遇などの対策を相次いで実行。さらに、(最も厳しい住宅取得制限を実施していた)北京や上海を含む中国のほとんどの大都市が、住宅取得制限の大幅な緩和に踏み切った。
規制緩和の効果見えず
にもかかわらず、それらの政策効果は見えにくい。国盛証券の1月29日付の調査レポートによれば、上海市政府は2023年12月15日に追加の規制緩和を発表したが、その後の住宅販売面積は1日当たり平均4万9000平方メートルにとどまっている。これは規制緩和の発表前1カ月間の同5万6000平方メートルを下回る水準だ。
同じく1月29日付の長江証券の調査レポートは、規制緩和の効果が見えない背景を次のように分析している。
「住宅市場の販売戸数と価格の動きが比較的安定している状況なら、規制緩和を通じて市場マインドに有効に働きかけることができる。だが、足元の住宅市場では(市況の)さらなる下振れを警戒するマインドが強すぎ、規制緩和の効果を相殺してしまっている」
(財新記者:王婧周、勇勤)
※原文の配信は2月1日
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