北米ホンダ旗艦SUV「パイロット」4代目の快進撃 国内未発売モデル、アメリカの大地で徹底試乗

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アダプティブクルーズコントロールやレーンキーピングアシストを含む、Honda SENSINGも装備。制御も緻密で、非常に実用的だった
アダプティブクルーズコントロールやレーンキーピングアシストを含む、Honda SENSINGも装備。制御も緻密で、非常に実用的だった(写真:平野 陽)

また、日本でもおなじみの安全運転支援システムHonda SENSINGも標準装備されており、もちろんアダプティブクルーズコントロール(ACC)も採用されている。アメリカのハイウェイは日本の高速道路ほど車線がくっきりしておらず、ところどころ薄れたり、実線なんだか破線なんだかわからなかったりすることもしょっちゅう。それでもフロントカメラの性能は優秀で、破線もしっかり認識するほか、ほかのクルマがとなりの車線から割り込んでくる際の減速制御も上手だ。これならば雪山で遊んだ帰路も安心だろう。

オフィスビルが建ち並ぶサンディエゴのダウンタウン。現行パイロットは街中でも、かなり映えるデザインだ
オフィスビルが建ち並ぶサンディエゴのダウンタウン。現行パイロットは街中でも、かなり映えるデザインだ(写真:平野 陽)
今回の試乗での平均燃費は19.1mpg(約8.12km/L)だった
今回の試乗での平均燃費は19.1mpg(約8.12km/L)だった(写真:平野 陽)

トレイルスポーツの燃費は市街地18mpg(約7.65km/L)、高速23mpg(約9.77km/L)、混合20mpg(約8.50km/L)と発表されている。今回はロサンゼルスを起点にラスベガスやサンディエゴなど、総走行距離にして850マイル(約1368km)以上は走ったが、平均燃費計の値は19.1mpg(約8.12km/L)を示していた。公表燃費と実燃費の乖離が少ないことにも驚くが、撮影機材などを積んでの移動だったので、まあこんなところかなという印象だ。

王道SUV、買うなら並行輸入か?

水平基調のシンプルデザインを採用したインパネ。ギアセレクターは電子制御のスイッチ式だ
水平基調のシンプルデザインを採用したインパネ。ギアセレクターは電子制御のスイッチ式だ(写真:平野 陽)
「TrailSport(トレイルスポーツ)」はオレンジのステッチが施された専用レザーシートも装備する
「TrailSport(トレイルスポーツ)」はオレンジのステッチが施された専用レザーシートも装備する(写真:平野 陽)

インテリアの質感は高く、ラゲッジルームも広い。スペーシャスで、ファミリーカーとしての資質が高いことが支持されてきた伝統を、現行パイロットもしっかり引き継いでいる印象である。個人的な意見としては、4世代にわたる歴代パイロットの中で、現行モデルは最もハンサムだと思う。奇をてらわず、SUVの王道を追求したスタイリングは出色の出来だ。

パイロットのラゲージルーム
パイロットのラゲージルーム(写真:平野 陽)
ラゲッジルームはサードシート使用時でも実測で460mmの奥行きを確保。サードシートは左右独立で格納することができる
ラゲッジルームはサードシート使用時でも実測で460mmの奥行きを確保。サードシートは左右独立で格納することができる(写真:平野 陽)
東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

メーカーが日本に導入するのを期待するというより、並行輸入してでも人との違いを味わいたい。現行パイロットは、そういった人にこそおすすめしたくなる生粋のアメリカンSUVである。

ローカルの海水浴客で賑わうサンディエゴのビーチにて
ローカルの海水浴客で賑わうサンディエゴのビーチにて(写真:平野 陽)
小林秀雄 ライター

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こばやしひでお / Hideo Kobayashi

自動車専門誌の編集プロダクション勤務を経て、ライターとして独立。主に自動車雑誌やWebサイトで記事を執筆している。

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