アップル「美しいニュースアプリ」の衝撃 「News」が変えるデジタルニュースの表現

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同アプリは既存のニュースをまるで雑誌のようなレイアウトで読んでいくことができるデザイン重視のニュースリーダーだ。カバー写真に文字を重ねた記事の導入を、ぺらぺらとめくりながら、自分の「マガジン」に記事を登録していく、キュレーション型の側面も備える。

アップルのNewsアプリとFlipboardとの比較をすると、Newsアプリは専用のニュースエディタで媒体が直接、レイアウトデザインを行って記事を配信できる点、そして人力のキュレーションを楽しむFlipbpardに対して、Newsアプリはプライバシーを守りながら、ユーザーの好みを学習しながら、読むべき記事、新たな発見をもたらそうとしている点が挙げられる。

広告収益は100%メディア側に

また、アップルにとって、そしてニュースメディアにとって大きな関心事となる広告については、以前紹介したFacebookのモバイルアプリを離れずにニュース記事を表現力豊かに閲覧できる「Instant Articles」に似ている。

Newsアプリでもメディア側が自分で販売して記事に入れた広告に関しては100%メディアが収益として得ることができる。一方、アップルが販売した広告を記事に入れることもでき、その場合はメディアが7割、アップルが3割の利益配分となる。

アップルの広告の仕組みは、アプリやiTunes Radioの収益化にも使われている「iAd」が用いられる。

では、アップルのNewsアプリは、メディア業界にどのようなインパクトを与えるのだろうか。おそらく多くのユーザーはFlipboard、Facebook、スマートニュース、グノシーなどと比べて、特別な目新しさを感じ取ることはないだろう。ユーザーが大挙してNewsアプリに乗り換える機能面での訴求があるわけでもない。

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