「日韓協力」で世界コンテンツ市場を開拓できる理由 デジタルハリウッドと韓国コンテンツ振興院がスクラム

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日本側は韓国のコンテンツ産業をどう評価しているのか。「若いプレーヤーたちの熱く、旺盛なチャレンジマインドとすさまじい努力。これがコンテンツの質とマーケティングにグローバルな競争力を持たせ、才能のある人材が集まっている」と、デジタルハリウッドの吉村毅社長兼CEOは評価する。そうした好循環において、政府系機関であるKOCCAが重要な役割を担ってきたと付け加える。

またジーズアカデミーのファウンダーでデジタルハリウッドの児玉浩康執行役員は「政策がいかに文化を発展させるかというよいお手本が、まさに韓国。日本のスタートアップにとっても学ぶことのほうが多い」と言う。

吉村氏は、「KOCCAの役割は、国家次元で韓国のスタートアップの育成と世界への発展を担うこと。その国家戦略に、日本の教育機関を代表して起業家育成のジーズアカデミーをはじめとする、国内外で活躍するIT・デジタルコンテンツ人材を育成してきたデジタルハリウッドが参画・協業する意味は大きい」と語る(吉村氏)。

日韓が互いの長所を生かし、シナジーを創出して世界市場に挑戦し、成長していくことは結果として日本経済の発展に寄与できると力を込める。

経済政策+文化事業

児玉氏も、「スタートアップが増えることは経済政策だけでなく文化事業でもある。スタートアップが持つフロンティア精神をベースにした文化を創出することは、また新たなスタートアップを生み出すことにもつながる。日韓は文化交流が盛んで、互いのフロンティア精神によい刺激を与えることで切磋琢磨できる」と、日韓共同の意味を説明する。

デジタルハリウッドはアジアでのデジタルコンテンツ人材の育成でも、すでに2011年、中国の上海音楽学院とデジタルハリウッド大学で合作した学部を創立。また2022年からはインドネシアの教育企業とのフランチャイズ的な協業も始めている。

韓国にも、2023年にデジタルハリウッド大学大学院とVRテクノロジーの開発と活用技術に長けた韓国スタートアップ企業のイェガンITが、デジタルコンテンツと産学協同での開発・マーケティング協力を目的としたMOU(基本合意書)を締結。同社の提供する実写ベースのメタバースプラットフォーム「Girabee(ジラビー)」で駆動する「DHUバーチャル・オープン・キャンパス」を開発、リリースした。

またデジタルハリウッドは、ファッション領域でメタバース上のショッピングモール「FASSKER」を開発・運営し、韓国のファッションテクノロジー領域をリードするFNSホールディングスともメタバースでのファッションテックなどで産学協同開発を行うMOUを締結している。

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