「日韓協力」で世界コンテンツ市場を開拓できる理由 デジタルハリウッドと韓国コンテンツ振興院がスクラム

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――韓国発のコンテンツは「こんなものがあったのか!」「こんな見せ方があったのか!」と思わせるものが多い印象があります。

確かにサプライズ的な要素を持ったコンテンツが製作され、広く受け入れられてきました。今後も、サプライズを与えるようなコンテンツは新しい技術の創出によって生み出されていくでしょう。

ただ、そのようなサプライズ的なものよりも、今後はその国、その人が共感できるようなコンテンツ、文化や考えや情緒面に訴えて共感されていくようなコンテンツがより好まれていくのではないかと考えています。先ほど指摘した「感受性」を含め、この点を考えると、これからのコンテンツ産業にはまだまだ克服すべき課題が多い。

「パープルオーシャン」出現も勝機

デジタルハリウッドが生み出すコンテンツは優秀で、非常に優れている機関であり人材も多く輩出しています。韓国は一度できたものを拡張することはできますが、企業などゼロから生み出し上手に育てるのは日本が優れています。

スタートアップなどプレーヤーを新たに増やせれば、そこには新たな市場を創造できます。この点、今後は既存市場の拡張より新市場の創出に貢献できるプレーヤーをつくっていきたいと考えています。

よく市場の規模や競合状況を「ブルーオーシャン」「レッドオーシャン」といった言い方をしますが、2024年以降は「パープルオーシャン」が出てくるのではと思っています。双方のオーシャンが交わるとパープルに変わる。そういった規模の市場こそ、コンテンツが必要としているのではないでしょうか。

現在、ドラマはすでにレッドオーシャンかもしれない。とはいえ、ドラマでもいろいろ派生させたものを生み出してパープルにすれば、そこでは十分に勝ち目があります。実は、日韓はこういったパープルオーシャンを生み出し、そこで飛躍できると考えています。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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