この大学の難易度を基に、各企業の入社難易度を算出した。例えば、東京大から6人、早稲田大から5人、慶應義塾大から10人の採用があったA社の入社難易度は、次のような式で求められる。(東京大×6人+早稲田大×5人+慶應義塾大×10人)÷(6人+5人+10人)=65.3となる。
この入社難易度を就職判明者10人以上の企業に絞ってランキングしたのが「入社が難しい有名企業ランキング」となる。同率で順位が異なるのは、少数点第2位以下の差による。
外資系コンサルが難関大学生の人気の理由
入社が難しい有名企業ランキングのトップ2は、外資系コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパンとボストン コンサルティング グループ。両社を調査対象に加えて以来、3年連続で同順位で並んでいる。
大学生の就職状況に詳しい就活コンサルタントは、「昨今の学生は生涯一つの企業で働こうという意識が低い。新卒で働く企業をファーストキャリアと捉え、力をつけた上で転職を考える傾向が強くなっている。特に専門領域でキャリアを積み上げたいという難関大の学生にとって、入社当初から経験が積めて給与水準が高い、外資コンサルはうってつけの企業」と話す。
両社の採用大学を見ていこう。マッキンゼーの入社難易度は、京都大の難易度を上回る68.1。それもそのはずで、採用判明大学8校(45人)中、東京大が30人と突出しているのだ。以下、京都大6人、慶應義塾大3人、一橋大2人、東北大学、国際教養大、上智大学、早稲田大が各1人。ボストンコンサルティングの採用判明大学は8校(30人)。複数の就職者がいるのは、東京大13人、京都大10人、慶應義塾大2人のみだ。
外資コンサルは、9位のEYストラテジー・アンド・コンサルティング、18位のデロイトトーマツコンサルティング、20位のPwCコンサルティングを合わせて5社がベスト20に入っている。
ちなみに、外資コンサル最大手のアクセンチュアは59位。採用判明数(768人)が多いことから採用判明大学の裾野も広く、86大学から採用していることが入社難易度が伸びない要因となっている。それでも、同社の入社難易度60.9は、近畿圏の最難関私大である同志社大学(61.0)と同等だ。
専門領域でキャリアを積み上げたいと考える学生にとって、大手商社や不動産も魅力的な企業だが、近年は外資コンサルに押され気味。「就活で外資コンサルと大手商社や不動産をかけ持ちする難関大の学生は多いが、就職ガイドラインとは別路線で採用を進め、先に内定がでる外資コンサルに流れる傾向が見られる」(就活コンサルタント)
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