その後、複数の自動車メーカーがメディアの取材に対し、ファーウェイから出資の打診を受けたことや、出資の是非を検討していることを認めた。国有自動車大手の第一汽車集団は、ファーウェイとの交渉を直ちに始めると表明。東風汽車集団も接触を持ったとコメントしていた。
2024年1月16日には、ファーウェイが新会社の設立登記をすませたことが明らかになった。企業登記情報によれば、その社名は「引望智能技術」、資本金は10億元(約207億8920万円)で、現時点ではファーウェイの100%出資になっている。関係者によれば、長安汽車やその他の自動車メーカーの出資比率が確定した後、登記情報を更新する予定だ。
ファーウェイはスマートカー関連のシステムや部品のサプライヤーを志向しており、「自社ブランドの自動車は作らない」と一貫して強調してきた。しかし自動車メーカーの間では、ファーウェイの言葉を疑い、協業を躊躇する声が最近まで少なくなかった。
“金食い虫”への思惑が一致
今回の新会社設立は、ファーウェイが(自動車メーカーの出資を受け入れることで)上述の懸念を払拭するのに役立つとみられている。さらに、中国の自動車市場ではスマート機能のレベルが消費者のクルマ選びを左右するようになり、自動車メーカー側でもファーウェイの先進技術を取り込みたいという思惑が生じている。
「中国の自動車メーカーにとって、自動運転技術は想定を超える“金食い虫”だ。全てのメーカーが自社開発を続けるのは現実的ではない。その一方、ファーウェイがスマートカーBUの分離(による新会社設立)を決めたのも、先行投資の大きさに対してリターンが低すぎるのが一因だろう」
ある自動運転技術の専門家は、財新記者の取材に対してそう述べ、一部の自動車メーカーとファーウェイの協業は双方にメリットがあるとの見方を示した。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は1月22日
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