茶の湯の宇宙 小堀宗実著
茶の湯の正式なもてなしを「茶事」という。4~5人の客を招き、およそ4時間をかけて懐石料理と濃茶、薄茶でもてなす。日常とは切り離された空間で庭をめで、床の間には書画や花を飾り、茶道具には陶芸だけでなく木工芸や金属工芸の作品も用いられる。招く側はもちろん、招かれる側にもさまざまな知識と美意識が求められる。茶の湯が日本文化の集大成、総合芸術といわれるゆえんはここにある。
一般に考えられている茶会は茶事の省略形にすぎず、抹茶の点て方である手前の稽古が茶の湯のすべてというのは誤解であると著者は指摘する。遠州茶道宗家13世家元が、茶の湯が大切にしてきた心のあり方や美意識をわかりやすく伝える。
朝日新書 735円
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