「作りたい女と食べたい女」描く日常が共感呼ぶ訳 同性カップル扱う「きのう何食べた?」との違い

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またシーズン1では、野本が思いを寄せる春日の性自認や性的指向、野本への感情などは一切触れられてこなかった。

シーズン2では、お互いの部屋を行き来して、料理して食べる生活がどう変わっていくのか。野本は気持ちをどう伝えるのか。気になる点がもりだくさんだ。

そんななか、シーズン2の初回は、生活費を抑えるために“2人ごはん”の回数を減らすという切ない話し合いからスタートした。一方、2人の間の部屋には新たな入居者が入る。シーズン2から新たに2人の女性が登場するが、それによって野本と春日の関係にどう影響や刺激を与えていくかがポイントになりそうだ。

幸せとは何かを考えさせてくれる

本作が描くのは、社会の片隅で実直に生きる女性が抱く、いまにも埋もれてしまいそうなささやかな思い。本人さえもそれを否定してしまいがちになることもあるが、まわりにはそれを理解してくれたり、同じ気持ちで生きている人たちが必ずいる。

そんな人たちと過ごす時間は楽しいに決まっている。楽しく過ごす時間を至上の価値にする彼女たちの姿に共感したり、励まされたりする人は多いだろう。何が幸せなのか、どう生きるべきか、という人それぞれ異なるであろう答えのひとつを、彼女たちは提示してくれている。

シーズン2の野本の恋の行方を応援しながら、投げかけられるメッセージを受け止めたい。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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