【産業天気図・ガラス/セメント】次はセントラル硝子の動きに注目。セメントは内需再び減少へ

ガラス業界は各社とも成長への大きな局面を迎えている。その中心となるのが世界シェア3位の英ピルキントンを買収する日本板硝子<5202.東証>だ。世界シェアは約14%となり、首位の旭硝子<5201.東証>と肩を並べる。買収総額はピルキントンの有利子負債借り換えを含めると6160億円にも上る。が、両社のシナジーは大きい。日本板硝子の主要顧客は日系メーカーだが、拠点は日本と東南アジアのみ。一方、ピルキントンは日本を除くほぼ全世界に展開しているものの、顧客は欧米メーカーがほとんど。つまり地域・顧客ともに補完関係にあるのだ。ただ「小が大をのむ」だけに、日本板硝子の経営陣が“格上”のピルキントンをうまくコントロールできるかが今後のカギとなる。
 前2005年12月期は減益となった旭硝子だが、今期は再び拡大に転じる。板ガラスのシェアで日本板硝子に並ばれたが、焦りはない。収益源を薄型ディスプレー用ガラス基板にシフトさせているからだ。事実、05年12月期営業利益の過半をガラス基板を含む電子・ディスプレー部門が稼ぎ出している。特に液晶用ガラス基板は絶好調。10月にシャープ<6753.東証>が稼働を開始する亀山第2工場。そこで使用する“第8世代”と呼ばれる世界最大のガラス基板は旭硝子が供給を一手に担う。07年以降も液晶テレビの需要拡大は続きそうで、旭硝子の勢いは止まりそうにない。
 気になるのはセントラル硝子<4044.東証>の動向。板ガラスシェアは旭硝子、日本板硝子に次ぐ国内3位だが、世界展開では上位2社に完全に置いていかれた。ただ世界3強の一角、仏サンゴバンと自動車用ガラスで提携しており、日本板硝子=ピルキントンと同様、地域・顧客の補完関係もある。今後、資本提携、買収など一段進んだ動きがあっても不思議ではないだろう。
 一方、06年3月期の国内セメント需要は台風や地震等による災害復旧特需で9年ぶりに増加となった。07年3月期は、この特需がなくなるため再び減少に転じる。ただ太平洋セメント<5233.東証>、住友大阪セメント<5232.東証>とも廃タイヤ、汚泥など廃棄物原燃料の使用拡大による一層の原価低減等で、増益は確保できそうだ。
【中島順一郎記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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