しかし、株式市場に対してこんな態度で向き合う人は、決して株で稼ぐことはできない。たまたま儲かっても、そのお金は再び株に戻って、結局は元金とともに消えてしまう。株式市場はそこを賭博場にする人に対して財産没収という冷酷な罰を与えるのだ。
投資で長く稼げる人の「3つの共通点」
株式市場で長期的に稼げるのは、株について、そしてその株が売買される理由について、よく知っている人だけだ。
彼らは市場の機能をよく理解している。株を発行するのは、会社をつくるのにひとりでは資金を準備できないから、多くの人から資金を調達するためであり、株式はその投資金額に応じて利益を配分するという「約束の証書」だ。
当初はこの証書は単に分配価値を定めた紙切れに過ぎなかったが、次第にこの紙に書かれた権利を売買しようとする人が現れた。売買する人が増えると、決まった時間、決まった場所で取引できるよう、証券取引所がつくられた。世界最初の証券取引所は1602年、オランダ東インド会社(Vereenigde Oostindische Compagnie, VOC)によって、印刷された株券や債券を取引するためにアムステルダムに設立された。
つまり、共同投資で会社を設立し、株を分配し、会社の成長性への期待が違う人たちがいつでもこの権利を売買できたわけだ。
株の投資で成功する人には、大きく3つの特徴がある。
ひとつ、自分自身を経営者だと思っている。
資金を集めていっしょに会社をつくるのだと考えているので、会社の本質をしっかり理解しようとする。どんな会社で、何をして、どう経営するのか、よくわかっている。そして会計帳簿と年次報告書をしっかり読み込む。経営者と同じ気持ちで、市場における会社の役割を考える。こうして自分なりの会社のイメージを頭のなかにつくっておけば、他人の評価や心配に動揺しなくなる。
もしあなたが自分で会社を経営する社長なら、他人の噂や専門家の見解を聞いて会社を売ったり畳んだりしないはずだ。投資でも、同じ態度を保とう。買うときも自分の判断を信じて買い、売るときも自分の判断に従って売るから、株価の動きを見て無駄に売買することもない。果実が熟すには時間がかかると知っているからだ。
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