ドイツ人が「無料でも」お茶や水の提供を断るなぜ サービスを受けるのが当たり前になった日本人
ヨーロッパではキリスト教の考え方に沿って「日曜日は安息日であって働いてはならない」という決まりがある。土曜日の午後から日曜日は鉄道の駅や高速道路のガソリンスタンドにあるキオスクを除いて買い物はできない。
個人商店でも夏や冬の休暇を3週間ぐらい取って休業する。いつも行く肉屋も休店中に「どこどこのお店がやっているからそちらに行ってください」と張り紙がしてある。
深夜業態はあまり発展していない
個人経営の店が長期休暇を取ることは日本では考えられないことだが、ドイツでは消費者もそれを受け入れ、社会のありようとして普通のことになっている。現在もヨーロッパでコンビニや深夜営業のファミレスのような業態は発展していない。
ドイツには「大量消費」「使い捨て」の文化はない。家具など祖父母の代からのものを大切にメンテナンスしながら使っている。1985年当時すでにリサイクル・リユースが浸透していた。自宅で飲むビールも飲み終わった瓶を店に持って行ってビールを詰め替えてもらう。
また、そもそも大都市への憧れも薄く、自分の住む街でそこにあるものや製品で生活を構成する地産地消が普通だ。食生活も質素で多くの人々はそうした物質的な豊かさよりも、個人や家族との時間や趣味に使う時間を大切にしている。過剰にものを消費したり、無駄に時間を使うということはない。
ドイツはOECDの統計でも労働時間が最も少ない国だ。それでも経済大国として成長を続けている。消費者の要求が抑制的でも、経済成長できるモデルが存在しているわけだ。
日本にも「もったいない」という言葉があるように本来はものを大切にする文化があった。ところが、今の日本では、いつでも・どこでもモノやサービスが手に入ることが重視されているため、社会的リソースが過剰に消費されているのではないか(ここで言うリソースには従来の「ヒト、モノ、金、情報」に加えて「時間、環境負荷物質」も考慮している)。
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