「世界の船の3割が通る」紅海で攻撃が続く影響度 日本郵船など国内海運大手もルート変更で回避
「すべての船は喜望峰へのルート変更や待機を行い紅海には入らないようにしている」(日本郵船広報部)など、日本の海運大手も紅海を回避する。
こうした状況で運賃値上げなどの期待が高まり、国内の海運大手は株価上昇が続く。とくに日本郵船、川崎汽船は上場来高値圏の値動きとなっている。
日本への輸送の影響度は
紅海と地中海を南北に結ぶスエズ運河。海運経済学を専門としコンテナ輸送の動向に詳しい拓殖大学商学部国際ビジネス学科の松田琢磨教授は、「アジア・ 中東と欧州・北米を結ぶショートカットルートで、効率的にモノを運ぶために欠かせない重要拠点だ」と話す。
「喜望峰を迂回すると欧州航路ではループ(1往復)で2隻程度の船の追加が必要になる」(松田氏)。問題が長期化すれば、リードタイムや輸送コストへの影響が懸念されるという。
ただし、日本関連の海上輸送で考えると、原油などは紅海を経由して運んでおらず影響は限定的との見方もある。「コンテナ船でも新規竣工が進んでおり、中国の春節前の輸送ラッシュなど短期の問題を切り抜けられれば、市況への影響は限られるのではないか」。松田氏もそう語る。
コンテナ輸送などの費用が最終商品の価格に占める割合は数パーセント程度のものが多く、仮に急騰してもコスト面の影響は限定的とされる。いきなり商品価格が倍になるなどの影響は短期ではなさそうだ。
一方で不透明要因は、フーシ派による船舶攻撃がいつまで続くか、だ。
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