いかがでしょうか。桜木先生は「SNSはとっととやめろ!」と一刀両断していましたね。そこまで言い切るのには理由があります。SNSには受験生にとって、利点を補って余りあるリスクが存在するからです。
代表的なのがネガティブ感情の連鎖です。行動経済学の分野では「アフェクト」と呼ばれる現象ですが、SNSの勉強や受験に対するネガティブな投稿に影響されて、モチベーションが下げられてしまうのです。
みなさんも経験があると思いますが、受験生の心には「本当に合格できるだろうか」という不安がつねに渦巻いているものです。頑張っても成績が伸びないときなどは、どうしても落ち込んでしまいますよね。
そんな時にSNSで「もう勉強したくない」とか「受験がつらい」などネガティブな投稿を目にすると、「勉強=嫌なもの」という意識がどんどん刷り込まれていってしまいます。マイナスの感情が増幅されてしまい、机に向かう気力が奪われてしまうのです。
SNSには偏差値や学歴差別をする投稿も
また、中には偏差値や学歴に対する差別的な内容もあります。「〇〇はFラン」、「〇〇以下は低学歴」といったような、心無い書き込みを見たことがある人も多いのではないでしょうか?
みなさんも勉強や受験に対しては色々な考え方があると思いますが、SNS上で展開されている意見は決してポジティブなものばかりではありません。勉強のモチベーションが下がっているときにそのような否定的な内容を見たら、「勉強を頑張る意味があるのか」、「受験なんてしても意味がないのでは」などと、マイナスな方向にどんどん気持ちが引きずられてしまうでしょう。
上位層の人たちの実力を目の当たりにして、自信を失ってしまうケースもあります。
SNS上では「模試でA判定取れた」とか「共通テスト9割超えた」など、実力を誇示する投稿が少なくありません。負けず嫌いな人はいいですが、そんな圧倒的な結果を見せつけられて自信を失う人もいるでしょう。
同じ試験で、自分が思うような結果が残せていない場合であればなおさらです。同じように自信をなくした人が「もう浪人確定」とか、「志望校のランク下げようかな」などとネガティブな投稿をすることも多く、負の感情の連鎖に巻き込まれる恐れがあります。
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