前年比5万人増「東京オートサロン」盛況の真意 ここだけで言える「本音」とビジネスチャンス
同じようなことは、他の出展メーカーの多くに共通していて、特にスバル、ホンダなどモータースポーツに積極的なメーカーは、競技車両をずらりと並べていたし、マツダは「モータースポーツをより身近で気軽に」をうたう「MAZDA SPIRIT RACING」のお披露目を、というぐあい。来場者の関心を引きつけていたようだ。
スポーツ走行の人気は、海外でもファンの多いドリフトの過熱ぶりが端的に表している。オートサロンでも、主催者が建物外にデモランの場所を用意。トヨタをはじめ、参加メーカー(チーム)がプロのドライバーによる走行を披露し、やんやの喝采を浴びていた。
韓国のヒョンデも、ドリフト走行が簡単に楽しめることをセリングポイントにしたハイパフォーマンスEV「IONIQ 5N」のデモランを行い、BEV(バッテリーEV)のポテンシャルを見せつけていた。2024年度年央の日本導入を前にドリフトをする姿を見せる、たいへんユニークな試みだ。
モータースポーツはビジネスになる
自動車関連パーツメーカーも、オートサロンには熱心に取り組んでいる。たとえば、TOM'S。
TOM'Sは、トヨタ車向けのアフターパーツを手がけるメーカーで、巨大なスポイラーを装着して空力効果を狙った「プリウス」や「GRヤリスTSS」などは食指が動く。
日産のブースの一部は、同社製品をベースにモータースポーツ志向の強いモデルを仕立てるNISMOの展示にあてがわれていた。
最大の注目株はつねに「NISMO GT-R」だが、AWDシステムに専用チューニングを施すとともに空力パーツを付与した「アリアNISMO」も目立つところに置かれていた。
株価はバブル絶頂期並みの勢いだというのに、たとえば輸入車の2023年の販売台数は前年比2.5%上と、かろうじて前年超えというありさま。でも、来場者の熱気はかなりのものだ。ギラギラした眼で展示車を観ている。
実際、出展した自動車メーカーははっきり「モータースポーツの人気は相変わらず高い」(広報担当者)と言い切る。国内レースの集客力は高いようだし、スポーツモデルはパーツが多いので付加価値も高い。ここにはビジネスチャンスがあるのだ。
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