葛飾北斎を世界の浮世絵師にした「ヤバい先輩」 天才画家ゴッホも絶賛、北斎の創作活動の原点

思い出したくない過去をエネルギー源に
「どうして自分だけがこんな目にあうのだろう」
昔のことを不意に思い出してしまい、悔しくて、悲しくて眠れなくなった……そんな夜が誰にでもあるでしょう。
できれば、イヤな記憶は心の奥底にしまっておきたいものですが、むしろ、何度も取り出しては、苦しい思い出を味わったのが、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎です。北斎は本来ならば、思い出したくもないような屈辱的な過去を、むしろ、前進するためのエネルギーに変えていたのです。
「え! あの北斎がそんな悔しい思いをすることなんてあったの?」
そう驚く人もいるかもしれませんね。
北斎への評価は日本国内よりも、むしろ海外のほうが高いと言われています。
北斎は数多くの作品を残しましたが、代表作『富嶽三十六景』では、様々な角度から見た各地の富士山が描かれています。天才画家ゴッホも絶賛していたことが、弟への手紙でわかっています。