普通に食べていく程度の稼ぎなら、他と同じようなことやっていてもいいでしょう。イベント会社はいくらでもあります。でも、変わったことをやるからこそ集まる人たちもいます。そこをターゲットにした方が利益率は高いという話です。
日本中で、異業種交流会が行われていると思いますけど、「サミット」のようなレベルのものはありませんよね。いかにブランド化して、他とは明確に違うものができるかどうかが、ビジネス面でのポイントなのかなと思います。
隔絶された場所に集まる効能
本書を読むと、都会のいいホテルやホールを借りて開催するよりも、インターネットの使えない豪華客船や、周りに何もないスキー場など、情報の少ない隔絶した地方に集めたほうが、成功率が高くなるということがよくわかります。
日本では、「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」というフォーラムが、毎年、和歌山県の南紀白浜で開催されています。
東京から南紀白浜までは、1日1~2便しか出ておらず、講演してすぐ帰るということができないので、みんな1泊するんです。それで、集まった人たちは飲み会をして仲良くなります。
学会もそういう構造が多いですよね。よく温泉地で開催されますが、学会の内容だけでなく、学者たちがそこで仲良くなることが目的だったりもします。
東京都内でパーティーをやっても、2時間ぐらい集まって、お酒を飲んで解散するだけですが、温泉地で1日過ごすとなると、どうでもいい時間があって、しょうもない話もします。それで仲良くなれたりもします。
起業家や、それなりにおカネを持っている人たちに対して、そういう場を作るというのは、確かに需要としてあるなと思いました。
高級ホテルやいいホールを借りてイベントを開催すれば、みんな喜ぶんじゃないかという感覚は、実は間違いだということがちゃんとわかるのは本書の面白いところですね。
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