米大統領選挙は「4年に一度の革命」に他ならない トランプ復活はアメリカ新内戦の引き金になる
ブレマー氏はさらに、1月8日の記者会見でこう断じた。「(11月の本選挙では)トランプが勝つと思う。6対4の割合で」
ブレマー氏は、アメリカ国内の分断が2024年最大のリスクと位置付けた。
「トランプが現在候補者であること自体が、アメリカの民主主義がうまく機能していないという危機の表れだ」(会見にて)
そして大統領選挙は政治的分裂をさらに悪化させ、アメリカの民主主義を脅かし、国際社会の信頼を失い、世界80億人に影響が及ぶというのだ。
トランプ支持者は「巨大な怪物」
予備選挙が終わると、メディアや政界が予想するシナリオは、トランプ VS. バイデンの戦いだ。共和党は7月に中西部ウィスコンシン州の大会で、トランプ氏を指名候補に選出。民主党は8月にイリノイ州シカゴの大会で、バイデン大統領を指名候補に選ぶ見込みだ。
このシナリオが怖いのは、トランプ氏が指名候補になると、メディアやSNSで堂々と発言できるようになることだ。おそらく米メディアと政界を「ハック」して振り回し、2016年のようにテレビやスマートフォンのスクリーンを占拠するという懸念だ。現在は、起訴された裁判関連の報道に顔を出すだけで、時折開く選挙集会もメディアは取材こそすれ、逐次報道はしていない。しかし、指名候補となれば別の話だ。集会での極端で危険な政策についての発言は、テレビやSNSを通して全米を膠着させるだろう。
トランプ氏はもはや、2016年から大統領任期が終わる2021年までの彼ではない。トランプ支持者を喜ばせるさらに危険で攻撃的な「怪物」に変身している。
「移民は、この国の血を汚染している」「英語が話せなければ、学校に来なくていい」といった集会での発言に熱狂的な歓声が上がる。しかし、ニューヨーク・タイムズのトランプ担当記者マギー・ヘイバーマン氏は、「初めて聞いたとき、ヒトラーを思い出した」と話す。
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