VWは長年にわたって、上海VWと一汽VWを中心に中国事業を展開してきた。しかし近年の動きを見ると、中国市場での新たなトライアルをVW安徽から着手するケースが目立つ。
タバスカンの輸出もその1つだ。中国はEV製造に必要なサプライチェーンが世界で最も充実しており、生産コストが安く、新技術の導入も早い。VWがタバスカンの生産地として中国を選んだのは、数あるメリットなかでもコスト競争力を重視したためとみられている。
上海VW・一汽VWとの関係が課題
VWはここにきて中国での研究開発能力の強化を急いでいる。中国の強みを取り込み、グローバル事業に活かすためだ。合肥市はその投資の中心地でもある。研究開発子会社、部品子会社、デジタル販売サービス子会社などを続々と設立しており、それらの総投資額は計画ベースで231億元(約4609億円)に上る。
自動車市場のEVシフトが急速に進む中国で、VWは変化に積極的に対応しようとしている。財新記者の取材に応じたある関係者は、同社の姿勢を肯定的に評価する一方、上海VWおよび一汽VWとの協力関係といかにバランスを取るかが課題になっていると指摘した。
財新記者の取材によれば、上海VWおよび一汽VWはそれぞれ独自の研究開発能力を強化し、市場の変化に対応する意向だ。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は2023年12月31日
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