中国・恒大系「EVメーカー」、トップの身柄拘束の闇 犯罪関与の疑い、金融子会社の不祥事に連座か

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当局に身柄を拘束された劉永灼氏は、かつて恒大集団の金融子会社の責任者を務めていた。写真は恒大汽車のイベントでスピーチする劉氏(恒大集団のウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの恒大汽車(正式社名は恒大新能源汽車集団)は1月8日、経営トップで副董事長兼総裁(副会長兼社長)を務める劉永灼氏が犯罪に関与した疑いで身柄を拘束されたと発表した。

同社は深刻な経営危機に陥っている不動産大手、恒大集団(エバーグランデ)の子会社で、劉氏は恒大集団の常務副総裁(副社長)も兼務していた。恒大集団では、2023年9月に創業者の許家印氏が当局の「強制措置」を受けるなど、グループ幹部の拘束が相次いでいる。

劉氏が公の場で最後に目撃されたのは、2023年12月26日、恒大汽車の天津工場で開催された「恒馳(ヘンチー)5」の納車セレモニーのときだった。恒馳5は恒大汽車が量産にこぎつけた唯一の車種だが、同社の情報開示によれば、2023年1月から6月までの販売台数は760台にすぎない。

事業多角化に深く関与

現在43歳の劉氏は、恒大集団の古参幹部の1人だ。2003年に入社後、当初は人事畑を歩み、その後は恒大集団の事業多角化に深く関与。多数の子会社の要職を歴任し、対外的にはプロサッカーチーム「広州恒大フットボールクラブ」の経営トップとしての知名度が高かった。

そんな劉氏が、2016年から2018年にかけて金融サービス子会社「恒大金服」の責任者を務めていたことはあまり知られていない。当時はP2P(ピア・ツー・ピア)と呼ばれるインターネットを介した個人間金融ビジネスの全盛期で、恒大金服は不動産関連に特化したP2P金融サービスを手がけていた。

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