韓国で超話題「スーパーエリート育成大学」の全貌 韓国版「ミネルバ大学」泰齋大の初代総長が語る

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急速なグローバル化、デジタル化により、知識を丸暗記して中間、期末考査などでよい点をとればそれでいいという時代は終わりました。グローバルリーダー、創意的な人材を今から育てないと遅れてしまう。そんな思いから創設に至りました。

――詰め込み教育で大学に入るシステムは日韓共に似ています。欧米のように自発的な学びと距離ができてしまうのはなぜでしょうか。

儒教の影響があるかもしれません。先生が教えるというスタイルがずっと続いてきました。

与えられたことはきちんとできても、そこから外れてしまうと、創造できない。韓国では儒学が知識とされて、両班(ヤンバン、支配階級)もあまり変わりませんでした。近代化に貢献した知識人があまりいなかった。そんな背景もあるかと思います。

韓国は朝鮮戦争、経済危機などで社会システムが大きく変わり、大学進学率も上がりましたが、それもその時代のモチベーションによって変わってきています。泰齋大学は今、21世紀のエリート大学を目指し、21世紀の世界最高のエリート校になるために全力を注いでいます。

西洋だけでなく、東洋も知ることが必要

――「韓国版ミネルバ」とも報じられましたが、異なる点はどこでしょうか?

ミネルバ大学よりももっとよい大学になる予定です(笑)。オンライン授業型で海外を移動して学ぶなど似ている部分もありますが、まず目標が異なります。20世紀までには西洋の文明が支配しましたが、今は東洋の力が強くなってきています。東西洋を理解し、世界秩序を新たに作り出せる未来志向の人材を育てなければならない。泰齋大学は超一流大学を目指して人材を集めて訓練します。

新学生を迎えるセレモニーでスピーチをする廉載鎬総長(写真:泰齋大学提供)

そのため、移動する国も20世紀の強大国家を知るという考えを基に日本、アメリカ、中国、ロシアの4カ国を選択しました。ルネサンス時代にダヴィンチが生まれたように、21世紀のダヴィンチを育てることが本校の目標なのです。

――そんな人材を生み出すカリキュラムも独特です。

今までの大学は一方的に゛教える゛スタイルでしたが、泰齋大学では学生の互いのディスカッションに焦点を当てており、先生はあくまでも「促進者、ファシリテータ」としての役割をしています。

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