「偽物にすり替えられる」フリマアプリ詐欺の手口 「偽物だから返品したい」という連絡に要注意

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フリマアプリでは、相手の説明を信じて取引をするしかない。相手が偽っていたり、意図的に誤解を招くようにしていれば、騙されてしまいかねないのだ。

なお、2017年には、誤って購入されることを期待して、家庭用ゲーム機や電子機器の「箱のみ」「写真のみ」を高額で出品しているユーザーがいることをメルカリが警告している。これも、商品説明をよく確認し、相手の信頼性を確認して取引するべきということになる。

「箱のみ」「写真のみ」を高額で出品しているユーザーがいることを警告するメルカリの投稿(画像:メルカリ公式X)

「すり替え防止対策済み」うたいタグ活用も

すり替え防止には、どのような対策をすればいいのか。まず基本として、取引履歴やレビューなどで確認し、取引相手が信頼できるかどうか確認しておく必要がある。また、製造番号などを控えたうえで、細部まで撮影し、購入時のレシートなども保管してすり替えを証明できる証拠を保存しておくことも大切だ。

フリマアプリ「楽天ラクマ」は、すり替え防止対策としてプロテクションタグの利用を勧めている。プロテクションタグとは、切断以外に外すことができないタグであり、一本50円ほどで入手できる。あらかじめつけて配送することで、すり替え対策となるというわけだ。ブランド品などの高級品を出品する場合は、うまく利用するといいのではないか。

「すり替え対策済み」記載出品例(筆者撮影)

最近は、「すり替え対策実施済み」などとうたうアカウントも増えてきた。タイトルにうたうものもあるが、タイトルには文字数制限があるため、商品説明文内に入れている場合も多い。

「すり替え防止対策のため、製造番号を控え、商品写真を数十枚撮影している」「正規品のみ販売しているが、万一偽物とお問い合わせがあった場合は、事実確認のうえ対応する。鑑定店舗、店舗電話番号、担当者名もご連絡を」などの記載をすることで、すり替えの抑止につながるかもしれない。

不用品を売ってお小遣い稼ぎができることで人気のフリマアプリだが、販売する側も購入する側も、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクがある。普段からどのようなトラブルが多いかを知ることで、対策できることも多いはずだ。個人間取引はそもそもトラブルが多い傾向にあるので、普段から注意して利用してほしい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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