元旦に「勉強する」「しない」どちらが成績伸びるか 受験直前の正月、どうすごしたほうがよいのか

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漫画では、「元旦は勉強しないほうがいい」と言われていましたね。そして、「スイッチを切り替える必要がある」とも。

勉強を必死にやっている人であればあるほど、視野が狭くなることがあります。前は解けていたはずの問題が解けなくなったり、つまらないミスをしてしまったり。

これは、勉強だけをしているとよく発生することです。目の前の1問を解くのに必死になって、心の余裕がなくなってしまうのです。

例えば、国語の文章を読んでいるとき、視野が狭いと「早く読まなきゃ!」と考えてしまい、大事な部分を読み飛ばしてしまうことがあります。

でも、心に余裕がある人は、「そもそもなんでこの文章が出題されたんだろう?」と考えたり、「これ、どれくらいの分量なのかな?どれくらいで解こう?」と試験問題を広い視野で考えることができます。

そうすると、見えてくることも多いです。「おそらく、筆者や問題を作った人は、こういうことを意図しているに違いない」とか「あ、結構分量が少ないから、じっくり読んでも大丈夫だな」など、そんなふうに考えて問題を解くことができて、いい成績になりやすいのです。

休むことが、勉強につながることも

そして、その「心の余裕」というのは、適切なタイミングで休むことで得られるものでもあります。

休んで、ちょっと家族で話す時間の中で勉強につながることもあるでしょう。ニュースを見ることが、時事ネタを確認することにもつながるでしょう。1人でゆっくりする時間があれば、頭の中を整理することにもつながります。

元旦くらいは頭の中を休ませようとすることには、大きな意味があるのではないでしょうか?

そのうえで、「それでも勉強したい」と考えてしまうこともあると思います。実際、元旦には勉強しないほうがいいとわかっていたけれど、午後にはなんとなく勉強をしてしまった、というシーンが漫画でも描かれていましたよね。それはまったく悪いことではないのだと思います。

義務感で「勉強しなきゃ!」と思うのではなく、ただ「勉強したいな」と思っているのであれば、効果は変わるはずです。

その時におすすめなのは、去年までの勉強とは少し違うことをやってみることです。普段あまり勉強しない科目の勉強をしてみたり、ノートを整理したり、あまり読まない本を読んでみたり。ぜひ、参考にしてみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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