グーグルは創造者か、それとも破壊者なのか 全産業支配の野望と立ちはだかる国家の壁

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左からエリック・シュミット会長、ラリー・ペイジ共同創業者兼CEO、サーゲイ・ブリン共同創業者兼特別プロジェクト担当。ペイジ氏は11年4月、10年ぶりにCEOへ返り咲いた

この買収戦略について、フィデリティ投信・調査部で証券アナリストなどを務めたGFリサーチ合同会社の泉田良輔代表は、「2012年から流れが変わってきている」と解説する。

実際に2011年まで、手薄だったソーシャル領域を直接補強することができる買収、もしくはその領域でコンテンツを活用できるような買収が多かったが、2011年以降は、サービスよりも技術に対する買収が増えている。泉田氏はその狙いを「クラウドを使った企業向け(BtoB)ビジネスを強化するため、買収の矛先をインフラに切り替えているのではないか」と指摘する。

グーグルのクラウドビジネスとは、2013年12月から提供している「グーグル・クラウドプラットフォーム(GCP)」と呼ばれているものだ。GCPを導入した企業は、瞬時に数十億件の検索結果が表示され、月に 60 億時間分の YouTube 動画を再生し、4.2億人に及ぶ Gメールユーザーにストレージ(データを永続的に記憶する装置)を提供しているグーグルのインフラと同じものが利用できるという特徴がある。

「今後のIoT(モノのインターネット)時代におけるデータ量の爆発に対して、他のクラウドベンダーよりグーグルの方が、自らの実体験に基づくビッグデータの扱いに長けている」。クラウドの導入・支援業務を手掛ける吉積情報の吉積礼敏代表は、GCPの浸透に期待を寄せる。

今後、自動運転者やロボットなどを含む新規事業とこのクラウドを組み合わせ、グーグルがBtoBに大きく舵を切っていく可能性は大きい。そうすれば、グーグルは“広告一本足”から抜けだし、さらに強固な収益力を獲得することができるというわけだ。

欧州、日本がグーグルに警戒感

既存事業の好収益と新規事業への投資で向かうところ敵なしのグーグルだが、「国家との対立」という点で岐路を迎えている。

今年4月、欧州委員会はEU競争法(独禁法違反)の疑いでグーグルに異議告知書を送付した。「一般的なインターネット検索結果の中で、グーグルは人為的に自社の比較ショッピングサービスを優遇している」。欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー委員(競争政策担当)は声明でこう切り捨てた。これに対しグーグルはすぐさま反論。「The Search for Harm(不都合を探して)」と題する公式ブログの中で、「グーグルは最も利用されている検索エンジンかもしれませんが、人々は今や様々な手段で情報を発見しアクセスすることができます。異議申し立ての内容は消費者と競合社にとって的外れなものです」と述べている。

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