専門医が教える「本当に眠りやすくなる」習慣 「羊の数を数える」よりも圧倒的に効く方法

拡大
縮小

何をしても寝つけないとき、「とりあえず横になっていよう」と暗い部屋の中でじっと耐えている人もいるかもしれません。

せめて少しでも体を休めようという思いでしょうが、この行動はよくありません。

横になることで一定の休息効果はありますが、睡眠の効果はないからです。

問題なのは、人は暗い場所で目を閉じてじっとしていると、ネガティブな思考を巡らす傾向にあることです。

いろいろ試して、それでも眠れないときには

不安や悩みを思い浮かべると、ストレスを感じて交感神経が優位になってしまうので、さらに眠れなくなります。また、寝なくてはいけないというプレッシャーがさらに悪循環を生むこともあります。

ですから、どうしても眠れないなら思い切ってふとんから出て、心身に刺激を与えないよう穏やかに過ごしましょう

ぐっすり眠る習慣
『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

マインドフルネスを試してみるのもおすすめです。マインドフルネスとは、今この瞬間に注意を向け、評価せず、とらわれのないような状態で自分の内面を見ることです。

そして、減ったぶんの睡眠時間は、プラマイゼロになるよう翌日以降に調整しましょう。

翌日に多く眠るのが難しい場合は、その週のあいだに30~60分程度の範囲でゆっくり時間をかけて調整していけば大丈夫です。

1週間以内に調整すればいいと思うだけで、プレッシャーが緩和されるのではないでしょうか。

たとえ1日眠れなかったとしても、大丈夫。

そんな気持ちで穏やかにすごしてくださいね。

白濱 龍太郎 睡眠専門医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

しらはま りゅうたろう / Ryuutarou Shirahama

筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立。約2万人の睡眠に悩む人を救ってきた。自身がオンオフの切り替えが苦手だったことから、睡眠の大切さを幅広く発信。医療以外の場でも、マイクロソフトやPHILIPSなど世界的企業での講演や、日本オリンピック協会(JOC)強化スタッフとして選手村で選手のサポートを行うなど、ビジネスやスポーツ界からの信頼も厚い。慶応義塾大学特任准教授、ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員などを兼歴任。『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)など著書やテレビ出演も多数。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT