原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ

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 立命館大学国際関係学部の大島堅一教授は、電力各社の有価証券報告書をつぶさに検証し、本来かかったはずの発電コストを試算した。その結果、原子力と揚水を足したコストは2007年度で1キロワット時約9円と、国の試算の約2倍であり、火力の約11円とほぼ同じであることが判明した。

ちなみに、揚水を除いた一般水力発電のコストが約4円で最も安く、国の言う「水力12円」説の“ウソ”も、併せて明らかになった。

国の試算がさらに問題なのは、“第2の費用=バックエンド費用”が、極めて過少評価されている点だ。

04年の政府審議会に提出された政府資料によると、バックエンド費用は総額約18・8兆円となっている。これでも十分巨額だが、今回、大島教授への取材に基づき本誌が試算したころ、実にその4倍、70兆円規模に膨らむ可能性があるとわかった。

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