Xで話題沸騰、新たな鉄道趣味分野「着鉄」とは何か 鉄道車体と同色のファッションコーデが評判に

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こうして工夫を重ねた宗谷線急行色のコーデは、その撮影にもこだわった。宗谷線急行色のキハ40形に夏服で乗れるのは今季最後の時期に差し掛かっていたこと、また来春のダイヤ改正後の車両の去就がわからないことから、「人生最後のチャンスとなる可能性もあり逃すわけにはいかない」と考えた柚子さんは、9月6日に撮影を決行。宗谷線急行色の運用については、撮影の数日前に目撃情報から計算して突き止め、富良野駅を6時23分に発車する滝川行の始発列車を狙うことにした。

北海道へは9月5日夜に新千歳空港到着便で来訪。この日は、航空便の遅延もあり最終列車に間に合わなくなるのではないかと「気を揉んだ」というが、まずは、新千歳空港駅を22時53分に発車する最終列車で富良野に近づける限界の岩見沢駅へ。すでにレンタカー店も閉まっている時間ではあったものの24時間利用可能なカーシェアに着目。岩見沢駅からはカーシェアを利用し富良野駅を目指すことにしたという。

「キハ40形の地域色を網羅したい」

岩見沢駅に着いたのは日付が変わった午前0時半ころだった。そこからカーシェアのクルマで夜道を走り富良野駅に着いたのが午前2時半ころ。その後、柚子さんは車内で仮眠をとり身支度を整えて、宗谷線急行色のキハ40形が充当された富良野発滝川行の始発列車に乗車することに成功。しかし、カーシェアの返却やその後の旅程に支障を来すことから1駅先の野花南駅で下車し、そのまま富良野駅へと折り返した。

柚子さんは、「宗谷線急行色の撮影については、早朝のたった1駅の乗車と着鉄のために膨大な手間と時間をかけたが、皆さんの反響はもちろん、何より自分自身で満足ができる作品を生み出せたことに無類の悦びを感じた」と振り返る。直近では新たにキハ40形四国色のコーデも発表しており、今後は「各地で昔から愛されてきたキハ40形の地域色や伝統色の作品を網羅していきたい」といい、「ほかの人の着鉄作品に触れられたらなお楽しいと思うので、このジャンルが共感を呼び広がってくれれば」と今後の期待を語った。

早朝の野花南駅で撮影した宗谷線急行色コーデ(写真:柚子@_yuzu_40)
櫛田 泉 経済ジャーナリスト

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くしだ・せん / Sen Kushida

くしだ・せん●1981年北海道生まれ。札幌光星高等学校、小樽商科大学商学部卒、同大学院商学研究科経営管理修士(MBA)コース修了。大手IT会社の新規事業開発部を経て、北海道岩内町のブランド茶漬け「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」をプロデュース。現在、合同会社いわない前浜市場CEOを務める。BSフジサンデ―ドキュメンタリー「今こそ鉄路を活かせ!地方創生への再出発」番組監修。

 

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