Xで話題沸騰、新たな鉄道趣味分野「着鉄」とは何か 鉄道車体と同色のファッションコーデが評判に
当初は鉄道コーデを着ることまでが目標で、着ながらその色の車両に乗るということまでは考えていなかったが、たまたま旅先の北海道で国鉄一般色のキハ40形に乗りあわせる機会があり「旅先で着てみよう」という軽い気持ちで着てみたところ、思いがけない楽しさを感じることになった。
こうしたことから、鉄道コーデの服装で実際にその車両に乗りに行く活動を「撮り鉄」や「乗り鉄」にならって「着鉄」と名付け、楽しんでいくことに決めたという。
柚子さんが、鉄道コーデを考えるにあたってこだわっている点は、車両の塗装の位置に服装の色を合わせることだ。例えば、地の色はシャツに、帯の色はスカートに配色することで、元の車両の配色が与える印象をなるべく生かすように工夫を重ねている。
初めての国鉄一般色コーデでは、車体の朱色とクリーム色の明るさや鮮やかさに近い洋服を探すことが大変だった。買い物の際に、実車と洋服を直接見比べることができないことから、スマートフォンの画面に表示された車両の写真と照らし合わせながら洋服を選ぶことになる。
しかし、写真の色合いは日の当たり方や露光の加減などに影響され、実車の正確な色合いが手元の画面上では再現されない。そうした中で、自身の記憶も頼りながら洋服を選ぶのは「本当にこの色でいいのかな」と悩ましい作業だったという。洋服についても無限のカラーバリエーションがあるわけではないので、国鉄一般色コーデを実現させるためには根気強い服探しが必要だった。
結果的にはどうしても実車と洋服の多少の差異は生まれてしまうそうで、実際に着てみると「少し違うかな」と思うこともあるというが、最終的には「服としてのまとまりや自分自身の満足があれば作品としてはヨシ」としているとのことだ。
鉄道系ユーチューバーがきっかけで鉄道ファンに
そんな柚子さんは、もともとは電車と気動車の区別もままならない鉄道素人だった。しかし、2年ほど前にある有名な鉄道系ユーチューバーの動画をたまたま目にしたことがきっかけで鉄道ファンになった。動画では、線路や駅が明治以降の近現代史を如実に物語ってくれていることに気づき、もともと近現代史が好きだったという柚子さんの鉄道への興味をかき立てることになる。
例えば、線路形状が土木技術を、貨物ホーム跡が物流の歴史を、今も各地に残る長大ホームが往年の長大編成の列車の往来を、無人駅の窓口跡が昔の出札風景を、国鉄型車両のボックス席や扇風機や灰皿跡が昭和の旅行事情を教えてくれるという。
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