アイドルマスターが「巨大IP」に飛躍を遂げた必然 ゲーム起点にマルチ展開、パートナーも拡大
ゲーム内でのアイドルプロデュース体験の提供を起点に、メディアミックスで各方面での展開を強化していくという流れが、アイドルマスターをここまでの人気IPへと飛躍させた。
バンダイナムコエンターテインメントで765プロダクションゼネラルマネージャーを務める波多野公士氏は「アイドルマスターはアイドルが題材だっただけに、音楽やライブへの展開は、世界観を広げるために必然だったのだろう」と分析する。
そして2023年2月に行われた東京ドーム公演では、5ブランドのアイドルたちが初めて同じステージに集結した。この合同ライブにより、2009年から始動した2nd VISIONは1つの到達点を迎えた。
MR技術を駆使した体験の進化
メディアミックス展開と新規ブランド立ち上げで規模を拡大してきたアイドルマスターが今、新たな戦略として打ち出しているのが「3.0 VISION」だ。MR(複合現実)を駆使したリアルとデジタルの融合によるアイドルプロデュース体験の進化に力を注ぐ。
例えば、バンダイナムコ未来研究所内にある、xR技術やリアルタイムモーションキャプチャ技術などが搭載された自社スタジオも活用しながら、MRを駆使した生放送などを配信。2023年7月に神田スクエアホールで開催されたMRライブイベント「765 MILLIONSTARS LIVE 2023 Dreamin’ Groove」は、「”MR”-MORE RE@LITY-」と掲げられたプロジェクトの中で、よりアイドルの実在感を高めることを狙いとして開催された。
また、ストリーミング配信を中心としたアイドルプロジェクト「PROJECT IM@S vα-liv(ヴイアライヴ)」の立ち上げなど、従来なかった手法でのIP展開も進めている。
昨今、VTuberなど新たなエンタメコンテンツが台頭する中で、アイドルマスターも新しい技術に適応するようなIPとして展開を模索している段階だ。
「アイドルマスターは、新しい技術やコンテンツに対してものすごく寛容でチャレンジングなIP。時代の変化に合わせてアップデートしていく必要がある。自分たちがやりたいことに技術が追いついてきており、アイドルが実在するような演出をするうえでの技術的ハードルも越えられると考えている」(波多野氏)
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