際立つ「勇者ヨシヒコ」シリーズ俳優活躍の背景 ムロツヨシ、木南晴夏が今期連ドラに主演

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一方、木南晴夏は、『セクシー田中さん』(日本テレビ系)に主演。これがゴールデンプライム帯の連続ドラマ初主演となる。

木南が演じるのは、会社ではまったく地味で目立たず、周囲から変人と思われている経理部のOLの田中さん。ところが彼女には別の顔があり、夜はベリーダンスの踊り手としてステージに立っていた。そしてそれを偶然知った会社の後輩(生見愛瑠)がその姿に感動し、年齢差を超えた友情が生まれる。

(写真:「セクシー田中さん」HPより)

最近では『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系、2023年放送)など、これまでの木南晴夏はどちらかと言えば作品の良きアクセントとなるバイプレーヤーの印象が強かった。

だがそこで長年培ってきた演技の蓄積が、この『セクシー田中さん』で花開いた感がある。コミュニケーション下手で無表情に見える田中さんの感情の機微、隠された可愛らしさを繊細に表現して惹きつけられる。

斬新だった『勇者ヨシヒコ』シリーズ

今期演技面で光るこの2人をみて思い出すのは、やはり『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)だ。

深夜に放送され、第1シリーズの放送からはすでに10数年が経つが、いまだに忘れがたいひとも少なくないのではなかろうか。それ以前からキャリアを積んでいたムロツヨシと木南晴夏も、このドラマがきっかけで多くの視聴者に注目される存在になったように思う。

『勇者ヨシヒコ』シリーズは、2011年から2016年にかけて放送された。

主演は山田孝之。その時点で山田も『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBSテレビ系、2004年放送)や『白夜行』(TBSテレビ系、2006年放送)などですでに注目されていたが、この作品の前後から変幻自在に役柄をこなす「カメレオン俳優」と呼ばれ、加えて本人の個性的なキャラクターにも注目が集まるようになった。その意味では、出世作と言っていい。

ドラマ自体もユニークだった。物語の舞台は、あのロールプレイングゲームの名作「ドラゴンクエスト」、いわゆる「ドラクエ」の世界。

山田孝之演じるヨシヒコは勇者で、その仲間としてムロツヨシ演じる賢者のメレブ、木南晴夏演じる魔法使い(登場時は村の娘)のムラサキ、そして宅麻伸演じる戦士のダンジョーが加わる。この4人のパーティが、ラスボスの魔王を倒す旅に出かけるという設定だ。

ただ、その描き方には一ひねりも二ひねりも加えられている。何と言っても脚本・監督は、『今日から俺は!!』(日本テレビ系、2018年放送)など多くのコメディで知られる福田雄一である。一筋縄で行くはずがない。

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