クリスマスに100万台売る「ケーキ王」強さの源泉 シャトレーゼ創業会長が語る「驚きの生産現場」

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――コンビニ各社がスイーツを充実させています。競合と意識しますか。

専門店とは品質が違うので競合にならない。コンビニもシャトレーゼの商品がほしいと言ってくる。ただ、コンビニだと単品ずつの取扱いになるが、シャトレーゼの店舗には何百種類もの商品を置いている。これは大きな違いだ。

――出店を急拡大させています。

FCの出店希望者が多く、年間100店のペースで増やしてきた。ただ、生産が追いつかない状況になってきた。工場をいろいろなところに確保しているがまだ時間がかかるので、いったん出店を絞ろうと考えている。

出店を増やしている「YATSUDOKI」では、ギフト菓子を充実させている(撮影:尾形文繁)

一方で、1店あたりの売り上げを増やさないといけない。シャトレーゼのお菓子は家庭消費向けのおやつとしての需要が大きいが、これから人口が減っていくことも見据えて、ギフト向けの比率を増やしていく。2019年に立ち上げたプレミアムブランド「YATSUDOKI」もその一環だ。

――ギフトとなると価格帯の高いものを求められそうですが、価格設定はどうしますか。

とかくみんな(ギフトを選ぶときに)値段でこれくらいのものと考えるが、値段ではなく、美味しさや見た目など「これは素晴らしいな」という価値をシャトレーゼらしく求めていく。

上場しないのがシャトレーゼの強み

――新たに国内で取得した3工場を来年稼働させるなど、生産増強を進めています。今後、資金調達などを目的に上場する可能性はありますか。

上場はしない。資金調達などはあまり関係ない。上場していないのはシャトレーゼの強みだ。昔は上場して一人前という風潮があり、約20年前には上場準備を進めていた。だが、「よし、やるぞ」というときに考え直し、土壇場で回避した。

シャトレーゼはお客様が第一。上場すると、お客様のために商品を安くするよりも、配当を増やすことを求められる。最近は、物言う株主が多く、MBO(経営陣による買収)をする動きもある。マネーゲームに巻き込まれたら大変だ。

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