ホンダの中国合弁会社が「初の人員カット」の深刻 1~10月の生産台数2割減、EVの販売も低迷

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ホンダ(の本社)は、中国事業の主軸を新エネルギー車に転換する必要性を認識している。2021年10月には、中国市場向けの新型EVのコンセプトカーを発表するとともに、2030年以降は中国市場へのエンジン車の投入をやめ、EVとPHVに注力すると宣言していた。

ホンダは中国事業のEVシフトを急いでいるが、市場の変化に追いついていない。写真は2021年10月に発表した中国向けEVのコンセプトモデル(ホンダのウェブサイトより)

だが、その後に広汽ホンダから発売されたEVは「e:NP1」の1車種だけで、最近ようやく後続モデルを発表したところだ。市場調査会社のデータによれば、e:NP1の2023年1月から10月までの販売台数は5000台にも届いていない。PHVに関しても、「アコード e:PHEV」や「ブリーズ e:PHEV」の売れ行きは冴えない。

凋落の背後にスマート化の遅れ

「広汽ホンダの現行モデルの開発は、3年前の市場調査に基づいて進められた。(自動運転機能やネットサービスとの連携など)スマート化のペースが遅すぎ、中国の消費者ニーズの変化に対応できていない」。財新記者の取材に応じた広汽ホンダの関係者は、凋落の背景をそう説明する。

本記事は「財新」の提供記事です

中国の日系合弁自動車メーカーは、広汽ホンダに限らずおしなべて(エンジン車に依存した)ビジネスモデルの転換に苦慮している。トヨタと広州汽車集団の合弁会社である広汽トヨタも、(販売減少にともなう生産調整のため)2023年7月に1000人規模の人員カットに追い込まれた。

(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は12月4日

財新 Biz&Tech

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